研究課題/領域番号 |
20K20775
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
相馬 直子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70452050)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 社会福祉事業 / 少子化対策 / 子育て支援労働 / 社会福祉事業 |
研究実績の概要 |
本研究は子育て支援というワークを「子育て支援労働」と概念定義し、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論を開発することを目的とするものである。 第一年目は、量的・質的な基準、項目、対象、方法を実践現場の専門職とともに議論をし、量的・質的把握のための指標の試験版を作成し、その試験版をもとに関東圏の地域子育て支援現場で第一次調査をすることを計画していた。 しかし、新コロナウィルス感染症拡大により、実践現場との調査研究体制の構築や調査計画を軌道修正せざるを得なかった。オンラインでのヒアリングに急遽変更しつつ、指標作成や試験版をもとにした支援現場での第一次調査を実施することが出来なかった。その点で研究計画が予定通りに進んだとは言い難いものの、コロナ禍における横浜市の保育園現場の実態調査分析を行い、パンデミック下における地域子育て支援の実態や課題を現場の支援者と議論し、第18回福祉社会学会で報告を行った。 子どものケア責任をめぐり、コロナは何を可視化させ、拡大させたのか。逆に、何を見えなくさせているのか。保育利用世帯の経験を私たちはどう共有して、社会に開くことができるのか。調査を通じて浮き彫りになったことは、子育て支援の現場には、当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせる役割があること。それは、トロントの指摘する「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)につながるものであること。パンデミック下において、この点を改めて問い直す必要があるということである。 また、先行研究の整理、既存のデータ収集と整理を終了できたことは、今後の研究推進に大きく貢献する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新コロナウィルス感染症拡大により、予定していた調査計画の軌道修正を行った。コロナ禍における保育現場の実態と課題の調査分析にたずさわることで、地域子育て支援における保育現場からの調査を進めることが出来た。一方で、地域子育て支援拠点やひろば事業は閉鎖されたため調査計画を進めることが出来なかった。ただし、先行研究の収集や整理、既存データの収集や分析は予定以上に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初、現地調査を軸に研究を計画した。しかし新コロナウィルス感染症の終息についての予想がつかないため、現地調査からオンラインを中心とした調査に修正し、研究を推進することを計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一年度は新コロナウィルス感染症拡大により、予定していた調査計画の軌道修正を行い、コロナ禍における保育現場の実態と課題の調査分析にたずさわることで、地域子育て支援における保育現場からの調査を進めることが出来た。一方で、地域子育て支援拠点やひろば事業は閉鎖されたため調査計画を進めることが出来なかった。閉鎖されたため実施できなかった調査計画の分を次年度に繰り越している。当初の計画から対象地域を絞り込んで調査を実施する計画である。
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