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2021 年度 実施状況報告書

子育て支援労働の社会経済的評価に関する量的・質的把握の方法論開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K20775
研究機関横浜国立大学

研究代表者

相馬 直子  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70452050)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード子育て支援 / ひろば事業 / 社会福祉事業 / 少子化対策 / 子育て支援労働
研究実績の概要

本研究は子育て支援というワークを「子育て支援労働」と概念定義し、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論を開発することを目的とするものである。2020年度の新コロナウィルス感染拡大に伴う影響とともに、2021年度夏に、これまで延期されていたサバティカルの実現可能性が急きょ高まり、トロント大学グローバル社会政策研究センターの客員教授として、本研究をカナダ(トロント)で進行することになった。引き続きオンラインでのヒアリングを実施しつつ、指標作成や試験版をもとにした支援現場での調査を実施することが出来なかった。その点で研究計画が予定通りに進んだとは言い難いものの、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための量的・質的把握の課題整理と、コロナ禍における地域子育て支援労働に関する英語論文の発表を行った。また、本研究の地域子育て支援労働とは、当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせる役割があり、ジョアン・トロントの指摘する「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)につながるものであり、量的・質的把握の方法論開発も、「ケアに満ちた民主主義」という理論的背景をもとに作成する必要がある。この着想から、Caring Democracy (Joan Tronto)の翻訳書の第一稿を完成させた(監訳者に提出)。これは、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論構築のための理論的基盤となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新コロナウィルス感染拡大に伴う影響と、延期されていたサバティカルの実現により、関東圏の支援現場での調査を実施することが出来なかったものの、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論構築のための理論的基盤を検討することが出来た。当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせるという地域子育て支援労働の役割を指標に具現化し、「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)を測定するための、理論的・実証的準備を行うことが出来たことは、今後の研究推進に大きく貢献する。

今後の研究の推進方策

本研究は当初、現地調査を軸に研究を計画した。しかし新コロナウィルス感染症とサバティカルの関係上、現地調査からオンラインを中心とした調査に修正し、研究を推進することを計画する。

次年度使用額が生じた理由

新コロナウィルス感染拡大に伴う影響で、子育て支援現場に直接調査を実施することが出来なかったため、本研究の理論的基盤の検討に対して研究費を配分することとした。子育て支援労働は、当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせる役割があり、それは、ジョアン・トロントの指摘する「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)につながるものであることから、原著(Caring Democracy)の翻訳に関するネイティブチェック等にも研究費を配分する計画とした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] トロント大学/グローバル社会政策研究センター(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      トロント大学/グローバル社会政策研究センター
  • [雑誌論文] コロナ禍で子育ての社会化を考える2021

    • 著者名/発表者名
      相馬直子・伊藤保子・河野暁子・若林智子・友澤ゆみ子
    • 雑誌名

      横浜国際社会科学研究

      巻: 26(2) ページ: 15-30

    • DOI

      10.18880/00014078

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] (書評)柳采延(著)専業主婦という選択――韓国の高学歴既婚女性と階層――2021

    • 著者名/発表者名
      相馬直子
    • 雑誌名

      家族社会学研究

      巻: 33(2) ページ: 235-236

    • DOI

      10.4234/jjoffamilysociology.33.235

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ダブルケア&ヤングケアラーの視点で社会設計を問い直そう2021

    • 著者名/発表者名
      相馬直子
    • 雑誌名

      文藝春秋オピニオン:2022年の論点100

      巻: 2022 ページ: 138-139

  • [学会発表] 少子高齢社会が直面する介護の現状と課題 ―ダブルケア研究知見から―2021

    • 著者名/発表者名
      相馬直子
    • 学会等名
      第25回日本看護管理学会学術集会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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