研究課題/領域番号 |
20K20793
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研究機関 | 開志専門職大学 |
研究代表者 |
平田 沙織 開志専門職大学, 事業創造学部, 准教授 (40793039)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 統合報告書 / 統合思考 / 社会福祉法人 / 統合報告フレームワーク / 財務情報 / 非財務情報 / ディスクロージャー / 会計 |
研究実績の概要 |
本研究では以下の三点を通じて、社会福祉法人における統合報告書の有用性を明らかにし統合報告書のフレームワークを作成することを目的としている。具体的には研究期間内に以下の3点を明らかにする。 (1)社会福祉法人における統合報告書のフレームワークの作成と実践 (2)社会福祉法人の統合報告書が利害関係者へ与える影響の調査及び分析 (3)社会福祉法人における統合報告書モデルの提唱 2020年度は、主に社会福祉法人の事業特性と経営戦略を明確化すること及び社会福祉法人における統合報告書のフレームワークの作成と実際の社会福祉法人と協力し、フレームワークを利用して統合報告書を作成することに注力することにあった。本年度は、愛知県の社会福祉法人(しあわせあっくん)から研究協力の申し出を頂き、統合報告書の作成を開始できた。施設へインタビュー調査を行い、統合報告書発行に向けて活動が進んでおり、5月17日現在、統合報告書の第一校が完成し、校正している最中である。また、本年度は、会計・監査ジャーナルへ社会福祉法人のフレームワークをテーマとして論文を掲載することができた。本研究の意義(学術的独自性と挑戦性)としては、①社会福祉法人への統合報告書導入と②社会福祉法人における統合報告書作成におけるフレームワーク(統合報告書モデル)の提唱の点である。①社会福祉法人への統合報告書導入について、2020年度分については、6月の発行を目指して活動が進んでおり、8割程度進んでいる。②のフレームワークの提唱については、会計・監査ジャーナルへ論文が掲載され、目標を達成した。今後は、実際に発行した統合報告書への意見や、学会等の研究発表を通じて統合報告フレームワークの更なるブラッシュアップを図りたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の本研究の目標は、①社会福祉法人への統合報告書導入と②社会福祉法人における統合報告書作成におけるフレームワーク(統合報告書モデル)の提唱の点である。 ①社会福祉法人への統合報告書導入について、2020年度分の統合報告書発行については、当初3月末の発行を目指していたものの、財務情報として2020年度の情報を掲載したいとの社会福祉法人側からの思惑があったため、財務情報が確定する5月以降の発行となった。現在、2021年6月の発行を目指して活動が進んでいる。 ②のフレームワークの提唱については、会計・監査ジャーナルへ論文が掲載され、当初の目標を達成した。今後は、実際に発行した統合報告書への意見の集約や、学会での研究発表等を通じて統合報告フレームワークの更なるブラッシュアップを図りたい。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では、引き続き社会福祉法人における統合報告書の作成に取り組む。2020年度版に続き2021年度版統合報告書ということで2冊目の統合報告書を発行する。その際、2020年度と同様に社会福祉法人の思惑(財務情報等の情報の開示状況)によって統合報告書の発行時期が前後する恐れがある。また、統合報告書における効果的な情報開示という観点からフレームワークを適宜見直す。 2022年度には、それまでに発行した統合報告書へ寄せられた意見を元に、社会福祉法人における統合報告書およびフレームワークの有用性を明らかにするための研究を行う。研究方法は基本的に実証研究、文献研究、インタビュー調査を主軸として遂行する。また、研究の進捗状況に応じて関連学会における報告および論文投稿を随時行い、研究内容の妥当性について評価してもらうことで、研究内容にフィードバックさせる。
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次年度使用額が生じた理由 |
統合報告書の作成費用(株式会社アドバンドへの受注製作費用)の執行について、当初の納品予定が2021年3月から、2021年6月(予定)へ変更となったため。その理由は、社会福祉法人の2020年度の情報整理のために、財務情報が確定する2021年4月以降に統合報告書を発行したいとの要望があったため。
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