研究課題/領域番号 |
20K20814
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 猛 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70281061)
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研究分担者 |
清水 大地 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00724486)
高木 紀久子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (60829365)
福留 東土 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70401643)
新藤 浩伸 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (70460269)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | STEAM / アート / 高等教育 / 実践研究 / 教育史 |
研究実績の概要 |
本研究は、大学教育の諸学問の授業に芸術的視点を取り入れた教育プログラムを構築し、知性と感性や情動を融合させた授業のデザイン原則を明らかにし、その理論的指針を確立することを目指すものである。 その際、①国内外で行われている関連する教育の実態調査や歴史調査を行い、②それらの知見を参考にしながら、新しい授業をデザインし、その効果検証を行うことを予定した。実態調査・歴史調査では米国の一般大学における芸術に関わるプログラムの現状について調査した。その結果、高等教育・カリキュラムの観点での研究や先行事例は極めて少ないことが示唆された。また、STEAM教育にフォーカスした調査からは、現状ではSTEM教育を補完する形でArtsが取り込まれているケースがほとんどで、芸術そのものが持つ深い情操に関わる検討がほとんどないことが明らかになった。 一方、芸術的視点を取り入れた教育実践におけるフィールド研究では、夏学期と秋学期に2つの授業を企画・実践した。現在,それらのデータを分析しながら,知性と感性や情動を横断する授業のデザイン原則を明らかにすべく,検討を進めている。さらに、本研究の観点を踏まえて書籍の2つのチャプター(一般大学における美術系・ダンス系授業の知性と感性や情動の関わり)を執筆した(Hayashi & Okada, ならびにTakagi & Wang, Brill 近刊)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため,対面授業がなくなり,オンライン形式の授業になったことで,授業のやり方の大幅な修正が必要になったため
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に記した通り、まずは大学、及び学外機関との連携における芸術教育の歴史的分析と実態調査を行う予定である。 次に、令和3年度の授業においては,これまでに得られた知性と感性や情動の関わりに関する知見を踏まえ、授業の効果を定量的に分析する。抽出手法として、心理学的な手法を応用し、インタビュー調査(実践者・関係者)、現場でのフィールドワーク(ビデオ映像等含む)、学生の変化の測定(質問項目、映像、インタビュー)を用いる。学生の変化に関しては、各学問の理解、各芸術の理解・実践の変化に加えて、創造性や協調性、問題解決能力といった21世紀型スキルの要素も測定する。 以上の計画等を加えることで、当初予定していた研究のさらなる推進に努める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の状況で,今年度十分に実施することが困難であった効果測定について、現状ではオンライン授業という制約下の中で行っていくことを予定している。これらの測定においては、追加の諸経費が必要となる。また上記の検証を行う際の協力者への謝金も必要となる。以上の事情により次年度で新たに購入するものや謝金が必要となったため、次年度使用額が生じた。
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