研究課題/領域番号 |
20K20819
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
藤森 裕治 文教大学, 教育学部, 教授 (00313817)
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研究分担者 |
白川 佳子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20259716)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 輪になる活動 / 国際比較 / 文化論 |
研究実績の概要 |
1.全国大学国語教育学会139回大会において「輪になる活動における国語教育学的考察」と題して学会発表を行った。輪になることの文化論的な意味を歴史民俗学の視点から追究し、教育活動における「輪」との関連性について考察した内容に加え、幼稚園での絵本読み聞かせにおいて、一斉型と円形テーブル囲み型とをそれぞれ用いた場合の比較分析を行ったものである。これらのリソースは本科研の助成を得る以前のものであるが、当該学会発表において改めて分析・考察することができた。 2.千葉県流山市立八木南小学校、長野県北佐久郡御代田町立御代田小学校において、8~1月にわたる長期参与観察研究を行い、その中で円盤形コミュニケーション・ツール「えんたくん」を用いた実践を開発した。八木南小学校においては市内の全小中学校を対象とした公開研究会でこれを披露し反響を得た。長野県大町市立美麻小中学校を舞台に、教室の座席配置・特別支援教室等に「輪」になるという要素を取り入れた継続的な実践的工夫を行った。 3.信州大学教育学部附属松本幼稚園を舞台に、円盤形コミュニケーション・ツールを用いた遊びの環境構成を工夫し、幼児の遊びに見られる特徴を観察した。 4.八十二銀行文化財団の機関誌「地域文化」で「輪」の特集号を編集し、巻頭論文として「輪をめぐるナゾと不思議」を寄稿した。この特集について、信濃毎日新聞がコラムで取り上げている。 5.茶々グループ保育園と提携し、当該課題研究について法人として協力していただけるための組織作りを行った。 6. 幼児教育における当該研究課題の基礎研究として、保育場面における母子コミュニケーションの在り方、コロナ禍における保育者養成教育の実践研究等について学会発表、論文・著書の公刊を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、海外への渡航調査を実施することができなかった。その代替措置として国内の学校園での調査研究等を拡充した。
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今後の研究の推進方策 |
1.第140回全国大学国語教育学会大会におけるシンポジウムに登壇予定。また、教育関連学会誌に「輪になる活動における国語教育学的考察」と題する学術論文を投稿する。 2.長野県大町市立美麻小中学校、暁星学園、信州大学教育学部附属松本幼稚園、茶々グループ保育園等と提携し、当該課題研究についてのアクションリサーチを行う。茶々グループ保育園については、輪になる活動を実験群とした臨床研究を企画・実行する。 3.感染状況の収束によって渡航の道が開かれた場合、すでにメールにて訪問調査が受け入れられているイギリスサリー県のSt Augustine Primary Schoolでの現地調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延によって渡航調査及び国際学会発表、国内学会発表(現地開催)がすべて不可能となったため、そのために準備していた旅費と謝金が使用できなかった。 次年度では、世界情勢を見つつになるが、依然渡航調査が不可能と思われる前期は、国内の調査協力学校園として公的に承認を得た茶々グループ保育園を初めとする複数の学校園との連携協力体制を確保し、法人単位での規模の大きな実践研究を推進する。2020年度はそのための足場固めを行っている。 また、後期にワクチン接種等によって渡航調査が可能となれば、イギリスのSt Augustine Primary Schoolを始め、すでにいつでも訪問してよいという確約を複数の学校園より得ており、直ちに遂行する予定である。
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