研究課題/領域番号 |
20K20829
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
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研究分担者 |
杉本 雅則 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90280560)
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
坂本 美紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90293729)
増本 康平 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20402985)
木村 哲也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60533528)
佐藤 幸治 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20584022)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 科学教育 / 学習科学 / 科学関連情報評価能力 |
研究実績の概要 |
情報詐欺被害の拡大やフェイクニュースの拡散など,現代社会に新たな問題が引き起こされている.このような現代社会においては,高度な科学関連情報について,専門的知識を持たない市民であっても,情報について信頼できるかどうかの規準を持ち,複数の情報の真偽判断のみならず比較・統合するなどの高次思考を駆動できる認識的な資質・能力・態度の育成が,教育学研究における喫緊の課題である. そこで,本研究では,上記のような資質・能力・態度の総体を「科学関連情報評価能力」と暫定的に定義し,近年の学習科学で国際的に着目されている「エピステミック学習理論」を応用し,高度情報化社会に対応した科学関連情報評価能力の理論化を行い,その育成手法と実践モデルの開発に取り組む.研究方法については,この研究目的の達成のために,学際的な共同研究体制を組織している. 2020年度は,科学関連情報評価能力の理論化を中心に研究を進めた.2020年度の研究実績については,次の通りであった.(1)科学関連情報評価に関する資質・能力・態度特性ならびに,それらの獲得や駆動を支える環境特性を解明し,エピステミック学習理論を応用してそれらを体系的に整理することに着手した.(2)併せて,科学関連情報評価能力の暫定的フレームワークの策定に着手した.(3)次年度以降に向けた科学関連情報評価能力の育成手法と実践モデル開発のための基盤を整備した.2020年度の研究成果の発表に関しては,学会発表として,日本教育工学会2021年春季全国大会において研究成果の一部を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究目的は,2020年度についてはおおむね順調に達成されている.科学関連情報評価に関する資質・能力・態度特性の解明,それらの獲得や駆動を支える環境特性の解明に加えて,エピステミック学習理論を応用したそれらの体系的な整理に着手できた.併せて,科学関連情報評価能力の暫定的なフレームワークの策定にも着手することができた.次年度以降に向けた科学関連情報評価能力の育成手法と実践モデル開発のための基盤も整備できた.研究成果の発表についても,学会発表として研究成果を公表することができた. ただし,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,当初計画の遅延・変更が必要となったため,当初計画の一部を完了することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度において完了することができなかった文献資料の収集と国内外の事例に関する実地調査やデータベース化,各種の特性解明や本格的なフレームワーク策定などのほか,科学関連情報評価能力の育成手法と実践モデルの開発と,研究実践フィールドにおける実証実験を実施する予定である.研究成果の発表については,国際会議および国内学会における研究発表に加えて,学術誌論文の作成を行う.ただし,新型コロナウィルス感染拡大の影響を考慮しながら,着実に実現可能な部分を推進する.
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて,当初計画の一部を十分に実施することができなかった.そのため,研究成果公表のための予算,文献資料の収集と国内外の事例に関する実地調査やデータベース化の継続的実施のための予算が必要になったため. 【使用計画】物品費(図書費など),調査旅費,成果発表旅費,その他に使用する予定である.
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