研究課題/領域番号 |
20K20831
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
牧 貴愛 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 准教授 (80610906)
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研究分担者 |
平田 仁胤 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (50582227)
岡花 祈一郎 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50512555)
塚脇 涼太 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (60599702)
下田 旭美 広島商船高等専門学校, その他部局等, 講師 (80812784)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 東南アジア / アフリカ / 教師教育者 / アイデンティティ / 国際共同研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、未来の学校教員を育てる教師教育者(teacher educator)のアイデンティティについて、東南アジア諸国(タイ、カンボジア、ミャンマー)とアフリカ諸国(マラウイ、ルワンダ)を事例として検討するものである。 研究計画2年目では、初年度に収集した東南アジア諸国(タイ、カンボジア、ベトナム)の教師教育者の養成・人事・研修にかかる基礎的な情報を精査するとともに、とくに、公募文書に着目し、各国ごとの分析ならびに横断的な国際比較分析に取り組んだ。その分析結果は、それぞれ日本比較教育学会(タイ)、日本教育学会(カンボジア)にて口頭発表を行うとともに、第2回カンボジア比較教育学会では、ベトナムを含む、タイ、カンボジアとの比較分析からなるパネルセッションを企画・開催した。さらに、以上の口頭発表を取り纏めて、学術論文として公表している。 以上の制度分析ならびに成果発表と並行して、教師教育者のアイデンティティを明らかにするための質問紙調査を実施した。現在、質問紙調査の結果について統計的分析を終え、国際誌に投稿すべく論文として取り纏めている。 さらに、研究成果をひろく調査対象国等へ還元するために、アジア・アフリカ諸国の教師教育者、教育関係者をメインのオーディエンスとする教師教育者の専門職業的発達をテーマとするウェビナー(Teacher Educators' Professional Development)を計2回(2021年12月9日、2022年3月17日)主催し、本研究から得られた知見の共有を図った。同ウェビナーを通じて、アジア、アフリカ諸国の教師教育者との研究ネットワークの構築も始めている。併せて、本研究課題や研究対象国に関する図書、論文を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大・継続により、現地調査の実施は困難であったが、東南アジア3か国(タイ、カンボジア、ベトナム)の教師教育者に求められる役割や、具体的な資質・能力について、公募文書の分析を通じて一定明らかにし、また、関連学会等での成果発表、論文刊行ができた。併せて、質問紙調査については予定通り実施し、ウェビナーの継続的な開催によりアウトリーチも行えた。以上から、概ね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる次年度については、今年度の東南アジア諸国を対象とした調査研究と概ね同様の手順で、アフリカ諸国(マラウイ、ザンビア、南アフリカ)を対象に制度分析ならびに質問紙調査の実施、成果発表、ウェビナーを通じた研究成果の社会還元に取り組むことを計画している。アフリカの調査対象国については、当初、マラウイとルワンダとしていたが、より密な連携が図れるマラウイとザンビア、ならびに、ウェビナーを通じて国際共同研究に着手しつつある南アフリカを含めた3か国を対象として実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大・継続に伴い、海外渡航ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度、研究目的ならびに研究計画に照らして、適切に執行する。
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