研究課題/領域番号 |
20K20835
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 直之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20390453)
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研究分担者 |
山川 肖美 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40284137)
田中 尚人 熊本大学, 熊本創生推進機構, 准教授 (60311742)
戸田 順一郎 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (80437805)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | シビックプライド / 地域 / 社会に開かれた教育課程 |
研究実績の概要 |
令和3年度は,コロナ禍のなかで,地域とのつながりを担保した学校教育・社会教育においてシビックプライドの醸成をねらった研究代表者・研究分担者による各県での取り組みについて,進捗状況の確認と相互批評を行った。さらに,新型コロナウィルスの影響で,学校と地域のつながりが寸断・希薄化している状況を踏まえ,コロナ禍にあって,どのような地域形成にコミットできるかについて議論した。 教科教育学の立場からは,タブレットを用いた小学校社会科授業における見学・調査の学習指導や,高等学校地理授業におけるエシカル消費促進活動を通したシビックプライド醸成の可能性と限界について検討した。社会教育学の立場からは,広島県廿日市市串戸市民センターが主催する事業「子どもがつくるまち」の実現までの過程と実施にアドバイザーとして参画し,ドイツのミニミュンヘンを参考にして,地域の子どもを主役に,子どもと大人と大学生が協働する事業としての展開を試みた。 環境工学の立場からは,YWFK(ユース水フォーラムくまもと)の活動の一環で,熊本県下の9つの高校生が,「世界に熊本の水文化を発信する」ために,それぞれの地域の水文化を発信する3分間の英語の動画を作成した。これらの取り組みは,SDGsの精神にのっとり,高校生たちのシビックプライドの醸成に寄与するものと考えられる。地域経済学の立場からは,中学生・高校生が地域の将来像を考え,シビックプライド醸成を目指す取り組み(「さが未来発見塾」)を,新聞社の企画,自治体,地元企業との連携により実施した。佐賀県の多久市,大町町,伊万里市,上峰町,神埼市,小城市において,生徒が地域の魅力や課題を探るワークショップを行い,活性化にむけた提言を市長,町長に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響のため,連携を予定していた学校や自治体との協働的な取り組みが延期されたり,リモートによる授業参観等に限定されることが多かったため。同様に,研究調査のための海外出張を予定していたが,所属機関によって禁止とされているため。
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今後の研究の推進方策 |
(1)シビックプライド育成に関わる地域形成教育研修プログラムとの連動 (2)地域形成教育プログラムの実践と課題の抽出 (3)オンラインを活用したヴァーチャル・サーベイ等の地域形成教育プログラムの検討 (4)諸外国における地域形成に寄与する教育実践の調査 (5)上記のうち,特にCOVID-19の影響による(2)と(4)への対応策としての科研費の繰越申請
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次年度使用額が生じた理由 |
研究調査のための外国出張を令和2年度と3年度に予定していたが,新型コロナウィルスの影響のため,所属機関によって禁止とされたため。令和4年度以降において,社会状況の改善と移動制限措置の緩和を待って,現地調査等を実施する計画である。
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