研究課題/領域番号 |
20K20837
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
高橋 秀俊 高知大学, 医学部, 特任教授 (40423222)
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研究分担者 |
上野 佳奈子 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10313107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 生活環境 / 音環境 / 発達障害 / 精神保健 / 神経生理 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、発達障害や精神障害の感覚過敏などの非定型的な感覚情報処理特性に配慮した感覚に優しい(sensory friendly)社会生活環境の普及を目的とする。そのために、感覚の問題を抱える発達障害や精神障害をもつ人が社会生活環境でどのような困難さを抱え、どのような配慮にニーズを求めているかを明らかにし、実際の社会生活環境への配慮に応用していく。近年、欧米では、感覚過敏など発達障害の感覚特性に配慮して騒音や照明をやわらげた、感覚に優しい(sensory friendly)社会生活空間の普及が進んでおり、自治体をあげての取組もみられるが、日本ではこのような取組は進んでいない。本研究課題では、情報処理において重要な役割を果たす聴覚・視覚を主体とする感覚に優しい取り組みを、学校・保育所・映画館・美術館・博物館・スーパーマーケットなど社会生活空間となる施設で普及することを目的に、各施設や当事者、自治体への聞き取り調査・アンケート調査や海外の先行事例の視察・環境測定を通じて、我が国における感覚に優しい社会生活環境に関する指針を作成する。 これまでに研究協力者らとともに、徳島県立近代美術館において、感覚過敏や発達障害をもつ子どもやその家族が美術館にアクセスしやすい取組について、当事者やその家族からヒアリングを行い、ホームページ上の動画の作成や施設内マップなどの作成にいたった。高知県内においては、高知県の発達障害の当事者団体や行政と協力し、音や照明に配慮した感覚に優しい映画上映会を2回行い、当事者や家族から好評を得ることができた。そして、水族館での感覚に優しい取組を行うために、発達障害の感覚の問題への配慮について水族館スタッフに研修を行った。また、発達障害における感覚の問題およびその支援の方法に関して、支援者や一般市民の理解が深められるよう、和文総説を執筆し国内の学会等で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症対策のため、国内外の視察・研究打ち合わせを次年度以後に延期する必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、水族館で感覚に優しい取組を実施予定である。そして、感覚に優しい取組に対する当事者団体に会員アンケートを行い、当事者側からのフィードバックを得、感覚に優しい取組を実施するための指針を作成する。さらに協力可能施設を増やし、当事者団体会員や協力施設に対するアンケート調査によるフィードバックをもとに、感覚に優しい取組の指針を見直し、情報発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため、国内外の視察・研究打ち合わせを次年度以後に延期する必要があったため。
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