研究課題/領域番号 |
20K20845
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅田 匡 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00184143)
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研究分担者 |
田中 孝尚 神戸大学, 附属学校部, 附属幼稚園副園長 (00868606)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 机上シミュレーション / 幼稚園教師 / 教師のわざ / 教師の動線 / 保育 |
研究実績の概要 |
本年度は,兵庫県内の3つの公立幼稚園において机上シミュレーションを行うために,園を訪問,3Dプリンターによる幼稚園の模型の作成をまず行った。その後,机上シミュレーションによる保育のシミュレーションデータの収集,シミュレートした保育の実施場面の記録の収集,及び保育実施後の教師へのインタビュー調査を行った。対象はいずれも教職経験年数10年以上の教師である。保育の対象は,5歳児及び4歳児である。シミュレーションは,登園からお昼までの保育とした。 本年度は,実際の保育場面の映像収集に関して,胸部に装着した360°カメラ(実質は180°で撮影)による方法を用いることにより,教師の動きに合わせたデータ収集は可能になったが,教師の激しい動きについては画面の揺れが大きく,データ収集方法の課題が明らかとなった。 収集したデータは,質的データ分析ソフトNVivoを用いて,ビデオ映像データと教師の思考過程との対応づけを行った。本年度は,コロナ禍のためデータ収集の時期が10月以降にずれ込んだため,データの一次加工にとどまっている。 一方,データ分析に関する文献購読及びレビューを進め,保育の質保障という観点から遊びの種類の分類,その分類に基づく遊びにおける教師の役割,また遊びにおける教師の評価観点と評価活動という枠組みが,机上シミュレーション法において有用な枠組みであることが明らかになった。このことによって,本研究を進める上で,教師が遊びをどのように捉えているか,を明らかにする必要性も示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため,データ収集の実施が大幅に遅れたことにより,本年度はデータ分析が遅れている。また,研究分担者の勤務する幼稚園において改修工事が急遽入り,そこでのデータ収集が困難になったことも遅れた理由の1つである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,データ分析を積極的に進めること,また研究分担者の幼稚園でのデータ収集が可能になったことからデータ収集も順調に行えると判断されるので,2020年度のデータ分析と並行してデータを追加し,研究計画に沿った研究活動を展開していく。本年度のデータ収集等の経験から大きな問題はなく,順調に進めることができると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため,当初予定していた研究協力者よりも少ない協力者のデータしか収集できなかったこと,また研究分担者の所属する幼稚園での研究が行えなかったことが理由の1つである。 また,同じくコロナ禍のため,海外での幼稚園教育等についての研究交流等を予定していたが,それが行えなかったことがもう1つの理由である。
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