各国のインクルーシブ教育の展開比較は、20世紀後半の「障害者の統合状況」に関する視点のもとで行われているために、各国の条件の違いを的確に表現できていなかった。そこで本研究ではインクルーシブ教育の展開を客観的に把握するための手法の一つとして、数理モデルを開発して表現する方法の検討を行った。本研究では手始めに数理モデル開発を通級による指導の対象者数推移を題材にして行った。多項式近似による将来予測を試みたところ2030年代初めにはその数が50万人くらいまで増加するであろうことを予測した。今後はインクルーシブ教育に関わる様々な推移状況のモデル化を進めて、自治体間や国際比較にも応用できるようにしたい。
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