研究課題
2023年度は研究成果を総括するために期間を延長した。8月には春日部市郷土博物館で3年目となるワークショップを開催し、これまでのノウハウをまとめて、複数の土器を比較しながら音楽づくりを行った。また、1月中旬~2月1日には、新潟市立早通南小学校で教科等横断型授業を行った。従来は、数時間のワークショップを行うだけだったが、ここでは事前に自然素材を集めた教室を全学年に開放し、自然素材に親しむ時間を長く設けた。主な対象は6年生で、家庭科や体育科(表現運動)でも縄文をイメージした作品をつくった。1月31日には地元新潟市文化財センター・日本遺産に関わる信濃川火焔街道連携協議会や研究代表者が地元新潟や縄文について話をしたうえで、施文体験を行った。2月1日には担当教諭の進行で、津南町教育委員会の協力もあり、地元の新潟市および津南町の火焔形土器を含む実物の土器を観察して音楽づくりを行った。本事業は、その事前準備や事後の検討会を含め、これまでの活動を総括的な内容となった。そもそも、文化財の保全・活用が重要な課題となっている中、本研究は、地域博物館がもつ歴史的資料を、歴史学習を越えた創造的な活動につなげるための手法として開発を進めてきたものである。小学校6年生で「縄文」を学習していなくとも、数千年前に使われた地元の土器のもつ不思議な形・文様は想像力・創造力を刺激する。異文化に思いをはせるとともに、それをグループ内で共有し、その特徴を自分たちで整理し、新たな音をつなげて作品化するプロセスは、今日に求められる協働的・創造的な力を養うものであり、そこでの歴史資料の活用という新たな可能性を切り拓く意義がある。博物館・学校・専門家による新たな連携の意義も大きい。【協力機関】春日部市郷土資料館、新潟市立早通南小学校、新潟市文化財センター、信濃川火焔街道連携協議会、津南町教育委員会
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