本研究では高齢者の身体表象の形成・更新プロセスおける内受容感覚の影響を明らかにすることを目的として心理物理実験とオンライン調査を行った。その結果,(1)加齢に伴い必ずしも内受容感覚が低下するわけではないこと,(2)年齢に関わらず身体表象の形成・更新過程に内受容感覚が関与していること,(3)内受容感覚には身体運動機能が関与している可能性があることが明らかになった。本研究は比較的高機能な高齢者を対象にしているため今後幅広い高齢者層を対象にして検討を行うことによって,高齢者の身体表象の改善に有用な,効率的かつ効果的なバーチャル・リアリティ介入プログラム開発へとつながると考えられる。
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