研究実績の概要 |
この研究は一般化された複素幾何, ケーラー幾何の以下三つの最も挑戦的な問題に焦点を絞って研究を進展させることを目的とするものである. (1)[一般化されたケーラー幾何学におけるカラビ・ヤオ型問題](2)[実4次元多様体上の一般化された複素構造の存在問題] (3)[ 一般化された複素 多様体と非可換代数幾何との対応の解明] 今年度は (1) に関し得られた結果を論文にまとめ、arxiv 上に投稿した. Ryushi Goto,Scalar curvature and the moment map in generalized Kahler geometry, arXiv:2105.13654 一般化されたケーラー幾何学においてスカラー曲率を適切に定義することはカラビ・ヤオ予想を定式化する上で大切であるが, 3-form で twist された一般化されたケーラー多様体 (M, J_1, J_2) の一般化されたスカラー曲率 S(J_1, J_2) の定式化に成功した. この一般化されたスカ ラー曲率は通常のケーラー多様体の場合には, よく知られたスカラー曲率に一致しており, 更に, シンプレクティック型の一般化されたケーラー多様体の場合には, モーメント写像となっている. また微分同相群の作用の元で同変であり, またd-閉なb-場の作用で不変である. また, J_1 ,J_2 との交換に関しても S (J_1, J_2)=S (J_2, J_1)となり, 不変 になっている.
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