研究実績の概要 |
一般化された複素構造および一般化されたケーラー構造は通常の複素構造, シンプレクティック構造を特別な場合として含む多様体の幾何構造である. ポアソ ン 幾何, ノンケーラー幾何(双エルミート幾何), 非可換代数幾何, 幾何学的偏微分方程式, 実4次元の微分トポロジーなど, 様々な分 野と深く関連しており, この 研究分野の最近の大きな進展が注目されている. 研究代表者の研究により, 一般化されたケーラー多様体の変形安定性定理が確立され, 非自明な一般化された ケーラー多様体が正則なポアソン構造により豊富に構成されることが示され, この分野の研究が急速に進展した. 今年度においては、一般化されたケー ラー多様体のスカラー曲率の研究をさらに推進した。また一般化された接触構造及び一般化された佐々木構造の研究を進めた。一般化された接触構造の積分可能条件に関してシリンダー型とコーン型の2種類あることを明解にし、これらの研究を行った。 これらの成果は2023年4月にStony Brook University, Simons center で開催された研究集会 Supergravity, Generalized Geometry and Ricci Flow にて発表した。 さらに、シンプレクティック型とは限らない一般化されたケーラー多様体の場合に「モーメントマップの枠組み」の研究を進めた。一方、一般化された複素多様体と非可換幾何学との関連の研究はあまり進展が見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は研究成果として、次の論文が出版されることとなった。 R. Goto, The Kobayashi-Hitchin Correspondence of Generalized Holomorphic Vector Bundles Over Generalized Kahler Manifolds of Symplectic Type, International Mathematics Research Notices, Volume 2024, Issue 2, January 2024, Pages 1496-8211;1567, https://doi.org/10.1093/imrn/rnad038
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