人間が利用可能な材料は原則低いエネルギーを持つ.しかしエネルギーが最低でない準安定状態の材料も現存する.後者を探索するには,必ずしもエネルギーが低くない状態への遷移を記述できるシミュレーション法が必要である.本研究課題では準安定状態への遷移を少数の変数で表す研究を行なった.主要な成果として,実際にエネルギー曲面上で準安定状態間を繋ぐ軌道と対応する一般的座標を定式化し,これを用いて,本来シミュレーションでは稀にしか起こらない遷移を効率的に発生させる基礎的実証に成功した.また,実験から報告された準安定材料に応用できる電子状態理論についても開発を進めた.
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