スマート熱輸送制御デバイスの実現に向けて、主に相転移材料の検討を行った。中でも、Ti3O5のフリースタンディング膜の作成は大きな成果といえる。Ti3O5は様々な外部刺激により相転移を起こす材料として知られているが、薄膜や単結晶の作成例はほとんどなかった。本研究では、水溶性の犠牲層上に成膜し、犠牲層を溶解、剥離させることで、Ti3O5のフ リースタンディング単結晶薄膜を得た。フッ素導入により電子物性を大幅に制御できる系の探索にも注力した。その結果、Ni系およびRu系層状ペロブスカイトで、フッ素の導入による金属-絶縁体転移を見出した。イオン液体中での無機材料のナノ構造作成にも着手した。
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