研究課題/領域番号 |
20K20927
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小栗 秀悟 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (20751176)
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研究分担者 |
鈴木 惇也 京都大学, 理学研究科, 助教 (90795014)
本多 俊介 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD) (30835020) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | CMB / ドローン / 電波望遠鏡 |
研究実績の概要 |
スペイン領テネリフェ島で行われている2つのCMB偏光観測実験GroundBIRDとQUIJOTE実験に対し、ドローンによる検出器較正を行い、無偏光成分に影響されない高感度測定を実現することが、本研究の主眼である。無偏光を差し引くには、縦偏光と横偏光、それぞれに感度のある検出器で測定し、差し引くことが必要となる。その際に問題となる偏光角の較正をドローンによって行う。較正の際には、望遠鏡の径に対して十分遠方から光を入射する必要があり、ドローンによる空中から入射によって、精度良く較正できることが期待される。 本年度は、コロナ禍の影響で海外渡航が大きく制限されてたため、分担者の主導するGroundBIRD実験の観測の再開が遅れた。当初は昨年の夏頃の実験再開を予定していたが、今年の3月にようやく現地入りができ、4月に実験を再開することができた。現在は、人的リソースを抑えて望遠鏡を定常的に運用するために、環境の整備に注力している。ドローンの運用についても、計画の検討を行っている。QUIJOTE実験は、イタリアのグループともドローンによる較正を検討しており、両者でうまく足並みが揃えられないか、検討している。 最初のステップとして、現地でドローンが飛ばせるかどうかの事務的な手続きに関する検討を行っている。観測所は空港から近く航空機にとって邪魔になる他、他の望遠鏡も稼働しているため調整が必要になる。現地ではIACのスタッフであるビクトール氏と、元分担者でIACに移籍した本多氏が調整を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響でスペインへの渡航が厳しく制限されたため、較正対象であるGroundBIRD望遠鏡の再開のタイミングが遅れた。また、同様の理由でアップデート用の検出器の開発も遅れており、定常運用には少し時間がかかる。一方で、今年3月に日本人研究者が渡航し、再開の準備を着々と進めている。また、ドローン運用のための現地スタッフとの交渉も開始している。
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今後の研究の推進方策 |
ドローンによる較正手法の確立のためには、GroundBIRD望遠鏡の安定運用が不可欠のため、まずはそれに注力する。今年度中に、本格運用を目指す。並行して、ドローンの運用に関する方針を固める。国内のドローンを輸出して現地で運用する場合と、現地でドローンをレンタルする場合の2パターンを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍の影響で、スペインへの渡航が制限された。それに伴い、現地との交渉も遅れが生じている。しかし、すでに国内の研究者が現地入りしており、今年度より研究が再開できると考えている。
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