単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のチューブ内に挿入された硫黄分子がチューブ径により異なる分子構造をとることを実験的に明らかにした。このことは、ナノメートルサイズの直径の筒状構造の空間のもつ特異性を示すものであり、学術的な意義がある。また、この特異な空間で二酸化炭素の電気化学還元実験を行うことができることを示し、かつその還元生成物の分析を実施できたことは実験の幅を広げる意味で有意義な成果である。さらに、こうした実験を通して初期地球の生命有機物の生成に関して議論できることを示したことは今後の研究の進展につながる意義深い試みである。
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