研究課題/領域番号 |
20K20976
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 昌司 九州大学, 工学研究院, 教授 (10377088)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 水電解 / ハニカム多孔質体 |
研究実績の概要 |
ハニカム多孔質体を用いてアルカリ水電解を高効率化することを目的として、研究を実施し得られた結果は、以下の通りである。 1.沸騰現象とアルカリ水電解現象の相似性の検証(沸騰曲線の温度制御型及び熱流束制御型曲線をそれぞれ、アルカリ水電解の電圧制御型及び電流制御型曲線で再現した実験から、沸騰現象とアルカリ水電解現象の相似性を確認できた。) 2.ハニカム多孔質体の毛細管力の有無がCCD点の向上に与える影響(セラミックスハニカム多孔質体を電極表面にGAP=0mmとGAP=0.5mmの2パターンで設置し、それぞれのCCD点を比較する実験から、ハニカム多孔質体の毛細管力がCCD点の向上に与える影響を検討し、CCD点をハニカム多孔質体により1.5倍向上させた。) 3.ハニカム多孔質体の気体排出孔がCCD点に与える影響(セラミックスハニカム多孔質体の気体排出孔を導電性樹脂で埋める場合と埋めない場合、それぞれのCCD点を比較する実験から、ハニカム多孔質体の気体排出孔がCCD点に与える影響を検討し、気体排出孔がある場合CCD点が明らかに向上した。) 4.ハニカム多孔質体の厚さがCCD点に与える影響(セラミックスハニカム多孔質体厚さ1㎜及び5㎜のものをそれぞれ電極表面に密着し、CCD点を比較する実験から、ハニカム多孔質体の厚さがCCD点に与える影響を検討し、より薄いハニカム多孔質体が電極表面に密着した場合CCD点が向上した。) 今後の課題は、高電流密度化した場合においても効率向上のために電解電圧を低下させることである。そのためには、電極自身の表面構造を電解析出法などによりハニカム多孔質微細構造化、さらには電解質のオーム損を極限まで減らすため、アノード電極とカソード電極の間にイオン交換膜を介してゼロキャップで設置するなどの工夫により、高電流密度化させつつ高効率な水電解手法の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想通り、ハニカム多孔質体を用いてCDD点を向上させることができたため
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題は、高電流密度化した場合においても効率向上のために電解電圧を低下させることである。そのためには、電極自身の表面構造を電解析出法などによりハニカム多孔質微細構造化、さらには電解質のオーム損を極限まで減らすため、アノード電極とカソード電極の間にイオン交換膜を介してゼロキャップで設置するなどの工夫により、高電流密度化させつつ高効率な水電解手法の確立が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ハニカム多孔質体を電解析出により製作して、高性能化が可能であることを示すのが今年度の目的であるが、今年度に電解析出法を使える状況が整ったので、今年度に当該使用額を計上している。
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