研究課題/領域番号 |
20K20984
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 英俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (90625485)
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研究分担者 |
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30548681)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | フォースプレート / 昆虫 / MEMS |
研究実績の概要 |
本研究では、微小昆虫であるショウジョウバエを計測対象として、特化したフォースプレートの設計・試作・計測システムを構築する目的とする。計測システムでは、プレートの垂直方向の変位を下部に配置したサブミクロンの分解能を持つレーザー変位計で検知し、事前に測定したフォースプレート全体のばね定数からフックの法則から足裏反力を測定する。 令和3年度においては、3Dプリンタで一体化して製作したプレートの四隅をマイクロスプリングで支える構造に製作したフォースプレートに加え、平面スパイラル構造によるフォースプレートを研究開発した。プレートは完全に平面構造であり、直径6 mmの円形のプレートに対し、四つのスパイラル状のばね構造が干渉せずに接続する。両デバイスは従来のフォースプレートよりも製作手順が簡単で、変位を力に変換するため局所的なひずみは小さく堅牢性を実現した。また本研究では測定点のプレート中心からのずれを特定、およびばね定数のばらつきを考慮し、荷重位置に対する測定反力の誤差を理論的にゼロにする測定点へ変位計を移動させるキャリブレーション法を構築した。実際に提案したキャリブレーションにより、レーザー変位計の検出値の位置誤差を立体コイルばね型フォースプレートでは約±10%から±1.5%に低減し、平面コイルばね型フォースプレートでは約±25%から±5%に低減することを確認した。 またフォースプレートをキャリブレーションした後にショウジョウバエの足裏反力測定実験を行い、歩行時にほとんど振動がないという特徴を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した通り、マイクロスプリング構造のフォースプレートを製作し、ショウジョウバエの歩行時の足裏反力を計測した。さらに平面スパイラル構造のフォースプレートを研究開発するなど、順調に研究が進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られた知見を基にフォースプレートの設計・製作の最適化を目指し、分解能が最小となる高感度なフォースプレートを目指す。またフォースプレートで計測した応答から、足裏反力や体重など有用な知見を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
3Dプリンタの外注回数が予定より少なかったため、予算の執行に次年度使用額が生じた。次年度において、外注をその分増やすことで研究を進める。
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