創薬において、薬剤応答を正確に測定することは、極めて重要である。エレクトロニクスシートは、極めて薄いことから、エレクトロニクスシートを心筋細胞組織に貼り付けた際に、心筋細胞組織の自律的な拍動を阻害しにくいというメリットがあと考えられている。心筋細胞組織を固い基板に固定した場合、細胞外電位を測定しやすいが、拍動に伴う収縮力を測定できない。一方で、細胞組織を固定しない場合細胞外電位の測定が困難になってしまう。エレクトロニクスシート上に心筋細胞組織を培養した場合、エレクトロニクスシートの剛性を十分に下げてやると、心筋細胞組織に発生する収縮力をエレクトロニクスシートの変形として測定可能であり、また細胞外電位の測定も可能である。このことから、エレクトロニクスシートによる心筋細胞組織のモニタリングは画期的な技術である。さらに、申請者らは、このエレクトロニクスシートに孔を設けることによって、さらに剛性を下げることが可能になることから、収縮力の測定の精度が向上する。また、うまいパターンにすることで、一軸方向の収縮力を立体的なねじり変形に変えることができる。これを達成するには、エレクトロニクスシートに、微細な孔を自由に設けることが可能な加工技術の確立が重要となる。細胞の大きさが20μmであるので、20μm以下の孔を配置することを目指し、これを達成した。また、当然ではあるが、孔を設けたシートに心筋細胞を播種し、シート上で培養可能なことを確認した。
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