• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

無線通信技術を導入した高信頼拡散型分子通信の創出

研究課題

研究課題/領域番号 20K20999
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

安在 大祐  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40611116)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード分子通信 / インプラント医療機器
研究実績の概要

体内に埋め込まれる医療機器が急速に発展しており、nmからμmオーダーのバイオナノマシンやドラッグデリバリーシステムへの展開が期待されている。これらのインプラント機器は互いに通信を行い協調的に動作する必要があるが、これまでのインプラント機器において実用化された通信技術のほとんど全てが電磁波を基本とした無線通信である。しかしながら、電磁波による無線通信では送受信アンテナサイズが原理的には波長(周波数の逆数)で決定されるため、μmからnmオーダーのナノマシンへの適用は極めて困難であり、電磁波による通信ではなくこれまでにない新しい媒体を介した通信技術の確立が必要不可欠である。本研究では特にバイオナノマシンやドラッグデリバリーシステムへとの親和性が高い性質を持つ拡散型分子通信技術に着目した。
このようにナノスケールデバイスにも適用可能性を秘めた分子通信であるが、そのほとんどが基礎研究の段階であり、実用段階も視野に入れた分子通信技術の確立には至っていない。そこで本研究は拡散型分子通信において、高度な変復調技術を適用することを本研究課題の目的とし、本年度は複合物理シミュレータの協調解析により拡散型分子通信における分子の化学反応や粒子拡散の数値モデルの確立を実施した。そして、構築した拡散型分子通信システムにおいて、通信速度の向上や複数のインプラント機器間を接続可能な高度な分子通信の確立の実現可能性の検証を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究計画は複合物理シミュレーションによる拡散型分子通信の動作原理の数学モデルの構築、及び拡散型分子通信に適した通信方式の検討であった。本年度は研究計画に掲げた項目について達成しており、本研究は概ねに順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度に実施した複合物理シミュレーションによる検討をさらに進め、基礎環境における実験検証を今後の研究の推進方策とする。実験環境としては現段階では磁性粒子を用いた拡散型分子通信を想定しており、実験環境の構築を含めて検討を進める。拡散型分子通信の実験環境構築はチャレンジングなテーマ設定であるので、研究の進捗に応じてより適切な評価環境があるかどうかを常に検討し、適宜計画の再検討を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響により計算機関係物品の欠品・遅延があり、当該年度中の納入が困難となってしまったため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク
  • [学会発表] 拡散型分子通信における環境パラメータ推定が通信特性に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      鳥山肖太, 安在大祐, 王建青
    • 学会等名
      電子情報通信学会通信方式研究会
  • [学会発表] Static Magnetic Localization of Capsule Endoscopes by Applying the Dipole Model with Optimal Simulation-Parameters2020

    • 著者名/発表者名
      S. Zeising, K. Ararat, A. Thalmayer, D. Anzai, G. Fischer, J. Kirchner
    • 学会等名
      7th International Electronic Conference on Sensors and Applications
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi