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2022 年度 実績報告書

有機ラジカル分子接合トランジスタの創成と巨大磁気抵抗効果の発現

研究課題

研究課題/領域番号 20K21010
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

早川 竜馬  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (90469768)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード有機ラジカル / 巨大磁気抵抗効果 / 分子接合 / スピントランジスタ
研究実績の概要

本研究課題では、メカニカルブレークジャンクション法による有機ラジカル単分子接合において得られた巨大磁気抵抗効果を利用して実用的な縦型スピントランジスタを実現することを目的とした。
最終年度である令和4年度においては、有機ラジカル分子を用いた縦型トンネル接合を形成し、分子スピンに由来すると思われる磁気抵抗効果を観測することに成功した。有機ラジカル分子のHOMOを流れるトンネル伝導領域において7 Tと強磁場ではあるが300 %に至る正の磁気抵抗効果を観測することができた。この磁気抵抗の発現メカニズムについては、明らかになっていないものの、有機ラジカル分子のSOMOがHOMOに近いため、分子スピンの影響によりHOMOを流れるトンネル伝導が変調されたものだと考えている。
また、本研究全体を通しての成果については、アルカンチオールを用いた縦型分子接合のモデル実験から始まり、非弾性トンネル分光による分子振動の観測、さらに2端子構造ではあるが有機ラジカル分子を用いた巨大磁気抵抗効果を観測することができた。また、非磁性分子ではあるが、縦型トランジスタにおいてゲート電圧による分子軌道変調に成功した。最終目標としていた有機ラジカル分子を用いた縦型トランジスタの形成までには至らなかったが、その要素技術を確立することができた。今後、さらなる研究を継続していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Konstanz(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      University of Konstanz
  • [雑誌論文] 分子を量子ドットに用いた縦型トランジスタ2022

    • 著者名/発表者名
      早川 竜馬, Tuhin Shuvra Basu, 若山 裕
    • 雑誌名

      日本物理学会誌

      巻: 77 ページ: 298-303

    • DOI

      10.11316/butsuri.77.5_298

    • 査読あり
  • [学会発表] Vertical Quantum-Effect Transistors with Molecular Dots2022

    • 著者名/発表者名
      Ryoma Hayakawa, Tuhin Shuvra Basu, Yutaka Wakayama
    • 学会等名
      13th International Conference on Nano-Molecular Electronics (ICNME 2022)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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