超伝導体の超伝導転移温度(Tc)は物質固有の値とされていたが、超伝導ハイパボリックメタマテリアル構造では実効誘電率が膜の並行・垂直方向で非対称となり、Cooper電子同士の引力相互作用が強められるという指摘がなされた。そこで、制御性と再現性の高い超伝導体-絶縁体の積層薄膜(Al層の厚み約8 nm)により3層と5層のMKIDs検出器を作製し、周波数2-8 GHzでのマイクロ波透過ゲイン測定で上記の実験的検証を目指した。バルクのTc~1.15 KのAl薄膜についてTcの値が1.7-1.8 Kが観測されたものの、超伝導ハイパボリックメタマテリアルの効果によりTcが上昇した事実は確認されなかった。
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