カンボジアの橋梁の一部を対象に橋梁位置の周辺画像と波長データをLandsatのデータから取得した(解像度約30m)。取得間隔は数週間おきに可能である。現在の詳細画像はGoogle Earthなどから得る。波長データからは,各地点の水分度を表す正規化水指数NDWIが数値として計算できる(研究では植生指数NDVIも並行試行)。可視画像に関しては画像を経年に追えば,ある時から橋が架かり,そこで建設年が分かる。幅の広い川にかかる長い橋では容易であり適用性を確認した。橋長50m以下の中規模以下の橋では画像が粗く難しい。そこでNDWIを用いた。川に橋が架かると,その地点は水から構造物に変わり,水分度が減る。常に川である近接の点を参照値として経年で比較をすると,橋が架かったときに,その点だけ値が変化することで建設年を推定できる。比較的長い橋で,これが適用できることを確認した。この手法の問題は,中規模および小規模橋梁ではデータの解像度が粗く,例えば20m以下の橋梁は画像では存在自体も確認が難しいことが多い。また,NDWIは光学センサからのデータなので,雲がかかっているなど空中の大気の状態でデータのばらつきが常にある。これについて,橋梁の長さを分類してNDWIによる推定を適用し精度を確認した。小規模であるほど,推定精度が低下すると予想していたが,長い橋の場合とさほど変わらない推定精度が得られることが分かった。また,同じ手法を日本国内の橋梁でも適用かを,新潟県市町村の橋梁を対象にも一部実施した。
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