NASAのLandsatデータを用い,対象橋梁位置と周辺の過去から現在の衛星可視画像や,光学センサから得られる波長データの数値を用いて算出する正規化水指数Normalized Difference Water Index (NDWI)により,橋梁建設年の推定を行った。可視画像により過去の状況を確認することで,橋長が100mを超える長い橋については建設前後で橋が架かっていることが確認でき,建設年を推定することが可能であった。一方,短い橋については,Landsatのデータの解像度が約30mであり,橋自体の存在を確認することが困難であった。そこでNDWIの変化をから推定を行うことを試みた。NDWIはその地点の水分状況を表す指標であり,橋梁が建設されると河川であったその地点が橋で覆われるために水分量が減るので,その変化が起きた時が建設年であると考えるアイデアである。検証のために既に建設の分かってる橋に対してこの手法を適用し,推定精度を検証した。橋長を100m以上,20~100m,20mi以下に分けそれぞれの推定精度を検証した。この方法で,ある程度の精度が橋長に関わらず得られることが確認できた。さらに,推定精度を向上させるために橋梁位置と河川の情報だけでなく,周辺の画像も含めて機械学習に学習させ推定することを試みた。これは橋梁が建設されると周囲の土地の様子も変わることが反映されると考えたためである。しかし,本研究においては画像を学習させ推定をしても,建設年を合理的な傾向で推定することはできなかった。
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