研究課題/領域番号 |
20K21020
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
松本 光春 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70434305)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
キーワード | ロボット / 非電気駆動 |
研究実績の概要 |
本研究では従来型ロボットが侵入不可能な領域の構造物の補修に焦点を当て,非電気系により駆動する自壊型ロボットによる侵入不可能領域の構造物補修の実現をその目標として定め,非電気駆動アクチュエータにより駆動し,自らの構造そのものを修復材料として用いる自壊型ロボットの実現可能性を明らかにすることを目的としている. 今年度は特に駆動源として音波を利用し,音波を用いてロボットを動かすための動作原理の調査と駆動周波数の特定,および,この現象を利用した非電気駆動で水上利用可能なロボットの設計を行った.ロボットを音により動かす実験では条件次第でロボットを動かせることを確認できた.また,実験を通じてロボットが動作を起こす周波数の絞り込みを行った.実験の結果,受音装置の大きさに応じてロボット周辺に音圧の変化が見られる場合と,ロボット周辺に音圧の変化が見られない場合が存在することが確認された.動作状況も異なることから異なる原因で駆動しているものと考えられる.音圧変化が見られる場合は共鳴が,変化が見られない場合は振動がそれぞれの原因ではないかと推察される.提案装置の作成にあたっては水による受音機構の劣化を防ぐため,撥水性材料に受音機構をのせた状態でも動作実験も行なった.実験の結果,設置する場所によって挙動が違うことが確認された.この挙動を踏まえ2方向に動くことを想定した装置を撥水性材料に受音機構を載せる形で作成したが,設置した場所ごとに異なる動きが再現することが分かった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音波によるロボットの駆動制御について駆動周波数領域を探索した.また,ロボットのプロトタイプの作成を行い,その駆動可能性を確認した.その結果,特定の周波数の音波を用いることでロボットを安定的に制御できることを確認した.
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は音波を用いたロボットの駆動に成功しているが,想定よりも駆動力が弱く地上での駆動には至っていない.この駆動力の弱さはまたロボットの外乱への弱さにもつながる.この弱点を克服するため引き続き音波での安定的な制御について検討するとともに,音波以外の駆動源の探索や自壊のための外部刺激方法についても検討していきたい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由)データ解析用の測定器などを購入予定であったが、初年度の実験では所有している機材により対応可能であったため、費用対効果の面から購入を持ち越した。 (使用計画)データ解析用測定器の購入費や補修実験の材料費として利用する予定である。また,関連する研究成果発表のための学会参加費への支出も予定している。
|