| 研究課題/領域番号 |
20K21027
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| 研究機関 | 北海学園大学 |
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研究代表者 |
鈴木 洋之 北海学園大学, 工学部, 教授 (70342491)
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| 研究分担者 |
鈴木 伸洋 上智大学, 理工学部, 准教授 (50735925)
志垣 俊介 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教 (50825289)
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| 研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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| キーワード | 洪水ストレス / 冠水ストレス / 洪水ピーク流量 / AI / 潜在空間表現 / 病害応答 / サリチル酸 / ジャスモン酸 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は河道内植生に生じたストレス応答，すなわち生育および生理学・分子生物学的な情報から、その植生が受けた洪水の水理情報を推定する技術の確立を目指す．ここでは多様な流れによる洪水ストレスおよび静水中への沈水による冠水ストレスを与えたシロイヌナズナを対象とした解析を行うことで植物の持つ生育・分子生物学的情報と流れの水理情報の関係を明らかにすることを試みた．
本研究では流量と負荷時間をそれぞれパラメータにする負荷実験を行った．この実験では河床と水面の付近で流速と水深をサンプルの上下流断面で計測した．負荷時間，速度勾配，水面勾配の違いによる葉径や茎長の成長の差異は負荷流量の違いによる差異に比べて小さくなった．すなわち，平均流で決まる抗力が詳細な流れの構造や負荷時間よりも生育に与える影響は大きいことから，植物は詳細な流れ構造でなく平均流に応答する可能性が示唆された．また，得られた生育データに対してAI的アプローチにより潜在空間表現をし，未知の生育データに対するおおよその平均流が推定できることが示唆された．このことから，植物の生育・分子生物学的情報が洪水の平均流としての水理量やピーク流量などを推定できるセンサーとして機能する可能性を示した
また，最大流量条件による洪水ストレスを与えたサンプルに対して RNA-Seqによるトランスクリプトーム解析とqRT-PCR解析を行った．洪水ストレスに対して発現する遺伝子群には，病害応答並びにサリチル酸およびジャスモン酸シグナルの制御に関与する遺伝子が多く見られた．すなわち，植物が病害応答機構を介して洪水ストレスに対し応答することが示された．これらの応答は冠水ストレスでは活性化されないものの，洪水ストレス条件下で特異的に活性化されるメカニズムである可能が示された。
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