本研究は、コロナの影響で初年度より一定の遅れがあり、工夫の結果2022年度(最終年度)に相当の進捗をみたが、全体をまとめる総合的な研究会の開催のために1年延長したものであった。2023年度には2022年度までに行った調査結果の発表の未公表部分を新たに報告した。また、主な研究対象地であったインドネシア・ジャカルタのKp.Akuariumと台湾・渓洲ではこの研究の契機となった住宅とコミュニティ再建が完成し、とくに台湾・渓洲については祭礼への参加の機会を得て訪問(これは急な渡航となり私費)し住空間・住文化・祭礼等の文化の創造的継承の確認踏査を実現できた。これら2地域からの講演者を日本に招聘し、3月に全体をまとめる総合的な研究会を開催(ハイブリッド)し、本年度の研究計画を達成することができた。また研究会とあわせて招聘した講演者とともに名古屋市・京都市・宇治市・大東市(大阪府)・神戸市に訪問、情報収集し、脱規準と公認化の都市計画、住環境整備、地域再生のプロジェクト設計-ステークホルダーごとの権利の創造的再配置、公民+居住者の時系列財政的デザイン、集住地区における文化の創造的継承発展、について議論を共有した。本挑戦的研究の成果を踏まえて2023年度には欧州・アジアをつなぐ基盤研究Bを発展的にテーマ展開する研究をスタートしており、欧州とも議論をつなぐため、3月の研究会は後半を基盤B開始の内容を含めている。萌芽的な研究からシームレスに持続発展できた。
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