研究課題/領域番号 |
20K21041
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
槙原 幹十朗 東北大学, 工学研究科, 教授 (60392817)
|
研究分担者 |
亀山 正樹 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30302178)
永井 大樹 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (70360724)
川畑 成之 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70390507)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
キーワード | 柔軟展開翼 / 展開翼 / 内部変形制御 / マルチフィデリティ |
研究実績の概要 |
<研究実施の概要>革新概念である「内部変形制御」により,可変翼機の構造モデルの忠実度・詳細度を意のままに変えられる構造解析法の確立を目指す挑戦的研究である.構造モデルに新規概念である内部変形制御を導入すれば,表現変数の数を変えずに,構造モデルのフィデリティを自由に変えられることを発想した.国際共同研究と大型風洞実験を通して,理論解析と実証実験の両面から,提案手法の有効性を明らかにする.挑戦的研究としての意義は,①前例研究が少なく知見が乏しい研究分野で,新規アイデアに基づいて,フィデリティの谷に挑む萌芽的要素があること,②内部変形制御と国際協力と大型風洞実験をフルに活用して「真のマルチフィデリティの実現」に果敢に挑戦することである.
<数値解析と風洞試験>内部変形制御による統一ベクトル表現を導入し,構造変数に形状関数を一度作用するだけで,空力モデルと空力作用点を生成できる「構造空力・統一連成法」を構築した.風洞実験の動的試験で平板翼の剛性などを計測した.計測にはレーザー変位計・ひずみセンサ・加速度センサを用いた.計測値を用いて突風変形量を概算し実験での安全性を確保した.
<実験内容>マルチフィデリティ解析実証のため,東北大学・流体研の永井教授との共同研究の下,同施設の風洞装置で翼の変形実験を行った.高フィデリティ解析の実験実証を行うため,新たな模型を製作した.平板翼と固定支持風洞を用いて,実験実証に成功した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実に研究計画通りに進んでいるから.特に難しいと予想されていた「全てのモデルを統一的に勾配ベクトルで表現し,フィデリティの谷を解決する新規アイデア「内部変形制御」を提案する」という大きな目標が達成できたから.
|
今後の研究の推進方策 |
磁力支持風洞と複数の高速度カメラで,高フィデリティ3次元挙動解析の実験実証に挑戦する.高速並列計算用の空力解析プログラムSHARPyを利用することで,計算負荷を軽減する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた翼機構が今年度は1つで済むことになり,購入費が少なくすんだため.また学会の参加費と旅費が不要であった.今年度の使用計画としては,今年度の残金を活用して,自由度を高めた複雑な翼機構の製作し,当初の計画よりも高度な研究実験を遂行する.
|