研究課題/領域番号 |
20K21046
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松岡 健 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40710067)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | デトネーション / デトネーションエンジン / 人工衛星姿勢制御 |
研究成果の概要 |
パルスデトネーションスラスタ(PDT)は、筒状燃焼器内でデトネーション波(超音速燃焼波)を間欠的に生成することで間欠的な推力を取り出す、姿勢制御システムである。従来の1液および2液スラスタと比べて、繰り返し精度の高いインパルス生成、推力応答性の向上、周波数制御による推力スロットリングが可能である。 本研究では、JAXA観測ロケットS-520-31号機を用いて実宇宙空間でのPDT作動を実施した。その結果、2ヘルツで5サイクルのPDE作動を3回(計15回のPDEサイクル)を試み、93%の成功率を達成した。また、1サイクル当たりのインパルスは5%以内の高い繰り返し精度であった。
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自由記述の分野 |
航空宇宙推進エンジン
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、パルスデトネーションスラスタ(PDT)が実宇宙環境で作動することを世界で初めて実証した。また、PDT作動によってロケット機軸周りの角速度を変化させることを示した。より高精度な衛星姿勢制御が期待できるPDTの作動実証は、大きな社会的意義を有する。また、間欠燃焼であっても燃焼器出口の絞りを設けることでPDTが作動し、想定通りの推力の生成を確認できた。実ミッションに向けた小型高性能のための作動モデルを構築できた点で学術的意義は高い。
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