研究課題
本研究の目的は、病原体に対して免疫が持っている「抗原の多様性に対する予防機能の特異性」を情報学の観点から再現し、生活環境下の致死性状況の対応へと 応用した「リスク免疫情報システム」の構築を通じて、多様性と特異性を両立させる新たなリスクマネジメントの可能性を探索することにある。提案を実証的に進めるために、子どもの事故予防という社会的要請高いテーマへの応用を念頭に、事故情報データベース機能と、学習能力を備えた人工知能の機能とを統合することで、危険や対策の知見を現場で活用可能にする動的分散リスクマネジメントの実現可能性を検証した。本研究課題で扱うリスク免疫情報システムは、以下の機能から構成されるものである。1)致死性状況学習機能:過去起こった事故状況と物体の形状特徴が紐づいた知識データベースを作成することで、日々変化する危険物体に対する致死性事故状況を学習する機能、2)致死性状況予測機能:年齢ごとに取り得る危険物体とのインタラクションを予測する発達行動モデルを用いた致死性状況予測する機能である。2021年度は、1)致死性状況学習機能:典型的でリスクの高い致死性状況を、分散表現を応用することで、自動抽出する手法を開発し、保育環境で起こった事故データに適用することで、乳幼児の発達と環境要因(製品等)の関係の分析を行い、また、危険状況を生み出す空間に関するナレッジグラフを作成した。また、2)致死性状況予測機能に関しては、危険な配置や発達段階を認識することで、致死性状況を検出する機能や、致死性状況の具体的な事例を情報提示する機能を実装した。3)開発したリスク免疫サービスの有効性検証に関しては、東工大に構築した保育所模擬環境での検証に加え、保護者啓発や保育所啓発活動を行っているNPO団体と協力することで、実際の保育所に対して、致死性状況の検出および予防法の提示技術に関する検証を行った。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
子ども安全研究
巻: 7 ページ: 33-35
Proc. of The 12th International Conference on Emerging Ubiquitous Systems and Pervasive Networks (EUSPN 2021)
巻: なし
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