幅広い紫外領域をカバーするAlGaN系紫外発光素子の内部量子効率は、サファイア基板とAlGaN層の格子不整合に起因する多数の貫通転位のために低く抑えられている。本研究成果は、AlN単結晶の新たな成長方法を提案するものであり、サファイア基板をAlN基板で置き換えることによって、飛躍的な格子整合性の向上、ひいては、内部量子効率の向上につながることが期待される。AlN単結晶は、原料紛体を2000℃以上の高温で昇華させ、温度勾配下で再結晶させて単結晶を得る昇華法により製造されているため、極めて高価で、市場への供給も不安定である。本研究は、昇華法に代わる低コストな結晶成長法としても期待されている。
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