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2020 年度 実施状況報告書

超塑性変形とその破壊現象を利用した医療・生化学用導電性金属マイクロニードルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21074
研究機関東京大学

研究代表者

古島 剛  東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30444938)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワードダイレス引抜き / 超塑性変形 / 破壊 / 金属マイクロニードル / 導電性
研究実績の概要

本研究では,導電性金属材料の中空マイクロニードルを作製する新手法を開発することを目的とする.そのための革新的な加工原理として,従来から知られている金属材料が数百%の大きな伸びを示す超塑性変形現象の枠組みをさらに拡張させた超塑性変形・破壊現象を本研究では新たに提唱する.超塑性変形・破壊現象を利用し,金属材料をまるでガラス管の加工のように引張り切ることにより,これまでにない新たなダイレス加工原理による超極細先端径を有する導電性金属マイクロニードルの創製を実現する.
今年度は,超塑性材料Zn-22Al合金をダイレス加工する前の初期管を超小型押出し加工機による作製を試みた.外径1mm,内径0.7mの極細初期管の作製に成功した.特に押出し加工条件として温度や速度を可変させることによって,結晶組織,強度,延性の制御が可能であることを示した.押出し時の押出し比は35を実現することができ,非常に長尺で極細の初期管を作製することができた.押出し管の表面性状も非常になめらかであり,金属マイクロニードルの作製に向けて十分な素管を作製することができた.
ダイレス加工用の装置の開発を行うにあたって,新型コロナウイルスの影響もあり,十分な設計・製作時間を取れることができなかったため,ダイレス加工実験については従来の加工装置を使った簡易的な実験にとどまっているものの,可変した速度比によって外径形状を可変させることに成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

従来から知られている金属材料が数百%の大きな伸びを示す超塑性変形現象の枠組みをさらに拡張させた超塑性変形・破壊現象を本研究では新たに提唱するための検証実験のための押出し素管の作製に成功した.しかしながら,新たにマイクロニードル創製用のダイレス加工装置の設計・製作が新型コロナウイルスの影響で遅れており,予備実験として従来の加工装置を使って,速度比条件が外径分布に及ぼす影響の調査を始めているにとどまっており,研究進捗状況としてはやや遅れているとと言える.

今後の研究の推進方策

超塑性変形現象の枠組みをさらに拡張させた超塑性変形・破壊現象をさらに検証することによって,金属材料をまるでガラス管の加工のように引張り切ることにより,これまでにない新たな加工原理による超極細先端径を有する導電性金属マイクロニードルの創製を実現する.昨年度からの継続で,マイクロニードル用のダイレス引抜き加工装置の開発を進め,特に引張破断させた際の,金属マイクロニードルの先端径に及ぼす各種加工条件として温度,速度,加速度等に注目して実験を行い,安定して先端径70μm以下を実現できる加工条件を見出す予定である.

次年度使用額が生じた理由

昨年度,開発が遅れていたダイレス加工実験装置のための設備備品として,今年度,電動スライダモータを2台を導入し,速度比の制御をして,任意の外径制御の実現を行う.また最高温度を高精度に測定するために微小領域用のサーモグラフィを計上する予定である.またダイレスおよび押出し加工実験用のジグの新たな製作や試験材料の購入,研磨用消耗品および組織観察用のSEM-EBSD使用料として使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [備考] 東京大学生産技術研究所変形加工学研究室

    • URL

      https://www.furulab.iis.u-tokyo.ac.jp/

  • [産業財産権] 金属製中空マイクロニードルの製造方法、および金属製中空マイクロニードル2021

    • 発明者名
      古島 剛
    • 権利者名
      古島 剛
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-11413

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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