近年、計算機性能の向上及び計算手法の発展により、量子力学の基本方程式を解く第一原理計算を用いて、クリーンな終端面におけるバンド端位置を高精度に算出することが可能となってきた。本研究では、100程度の酸化物のバンド端位置を対象に系統的第一原理計算を実行し、得られたデータに基づいて、バンド端の材料ごとの特性を系統的に理解することを目的とした。その結果、同じ酸化物であっても価電子帯上端位置(VBM)が4 eV程度で幅広く分布していることがわかった。またホウ素酸化物においてVBMが低い位置にある一方、Cu-3d軌道やAs, Sbの孤立電子対の軌道がVBMを構成する場合に値が大きくなることがわかった。
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