Mgイオン伝導性固体電解質の開発を目的として、Mg塩を構成要素とし、イオン伝導パスを有する新規分子結晶電解質の合成を検討した。出発原料としてMg{N(SO2CF3)2}2を用い、種々の有機基質やイオン液体類縁体との反応から、新規分子結晶電解質を作製した。得られた分子結晶の構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。また、電気化学測定により、固体状態におけるそれぞれの分子結晶のイオン伝導性とMgイオン輸率を評価した。得られた分子結晶電解質の結晶構造とMgイオン伝導特性の相関について精査することにより、高Mgイオン伝導性分子結晶に向けた材料設計指針の基礎となる知見を得た。
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