エネルギー自給率の低い我が国において持続可能な社会を実現するためには,エネルギーの有効利用は喫緊の課題である.しかし現在,日本の一次エネルギーの6割が熱として捨てられており,その大部分は100-250℃の低温産業廃熱や自動車排熱である.化学蓄熱技術はこの低品位熱エネルギーの有効利用を可能にする技術であり,実用に適した反応系を探索する本研究は持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するという観点で社会的意義がある.また,無機結晶構造データベースのスクリーニングによる新材料探索は,材料科学と情報科学の融合分野として注目されていることから学術的意義も高い.
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