硬度、熱伝導率等が最大のダイヤモンドにおいて、過去に未踏の大きな格子 ミスフィットを伴うドーピングへの自由度が得られれば飛躍的な機能応用展開が期待できる。ダイヤモンド中の主たる不純物は炭素の両隣のホウ素(B)と窒素(N)であり、ダイヤモンド中にBとNが固溶する際、B-Nペアの形成が安定と予想される。育成溶媒の最適化による窒素濃度の制御と精密なホウ素添加量の制御により、1~10ppmレンジでB-N共添加のほぼ無色のダイヤモンド結晶を得た。SIMS分析とESR分析により、結晶中でB-Nペアの形成が示唆される。高圧下でのダイヤモンドへのB-N複合欠陥の導入はドーピング自由度の拡張として期待できる。
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