金属間化合物は通常の合金とは異なり機械的な力が加わると割れやすい性質を持つ。割れた直後の断面(新生表面)はごく短寿命であり、その触媒作用を研究した例はない。本研究では反応ガス中で金属間化合物を粉砕することにより、新生表面の触媒作用を明らかにすることを目指した。アセチレンと水素の混合ガス中で金属間化合物を粉砕したところ、Niに比べて金属間化合物NiGaがエチレンを高選択的に与えることを明らかにした。本反応システムは、機械的エネルギーを触媒の形成および再生に利用するというユニークなシステムであり、他の反応にも広く適用可能と考えられる。
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