研究課題
本研究の目的は、レーザー光の物理作用(光電場、光熱作用)などを駆使してタンパク質の集合・配列などを制御することで、細胞骨格状の秩序構造の形成を時空間制御することにある。2022年度は、レーザーを用いたタンパク質の集合・配列制御に関する知見の深化とともに、それを利用した細胞骨格状構造の形成に関する研究を推進した。具体的には、細胞骨格状構造の形成に必要なレーザー(エネルギー、偏光など)や溶液(濃度、温度など)の条件をさらに網羅的に探索した。特にその中で興味深い知見として、レーザーを用いることで、自発的なプロセスよりも大幅に低い濃度(未飽和溶液)で微小管の形成を促せることがわかった。またレーザーをパターン照射(例:多点照射、ライン照射)することで、様々な形状の微小管ネットワーク構造を形成できることを見出した。さらにこれを活用して、微小管のネットワーク構造とその運動性を比較し、細胞骨格の集団的挙動に関する興味深い知見を見出した。本成果は学会などで発表し、CSJ化学フェスタではポスター賞を受賞するに至っている。以上から本研究課題におけるレーザーを用いた細胞呼格形成の自在制御技術はほぼ技術的にはほぼ達成し、現在はその論文化に取り組んでいる。またこの細胞骨格形成に関する研究と並行して、構築したレーザー操作システムなどを活用した多様な材料科学・生命科学的な研究にも取り組み、それらにおいても学会や論文などで発表した。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件)
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