研究課題
本研究は、生体分子であるペプチドの新規設計と結晶化技術を組み合わせ、イオン・ドー ピングによりペプチド結晶の電子物性制御技術を創製することを目的とした。ペプチドは 化学合成により作製し、高い自由度で様々なアミノ酸配列のペプチドを設計した。これにより、以下の項目においてそれぞれ研究を進めた。(1)結晶構造へと成長するペプチドのアミノ酸配列を設計し、結晶成長機構を理解する。成長中にイオンを結晶に挿入する技術、そして、すでに成長した結晶へイオンを挿入する技術を開発する。(2)成長したペプチド結晶の電子物性を評価する。特に、電子伝導度や光学特性について明らかにし、構造と物性の相関を理解する。(3)ペプチ ド結晶の電子特性の環境応答性を評価し、バイオエレクトロニクスにおけるアクティブ素 子としての特性を明らかにする。(1)では、アミノ酸4つからなるテトラペプチドを使用し、20種類以上のアミノ酸配列を検討した。その中で約半数のテトラペプチドで結晶成長に成功した。さらに、イオンの導入においては、4種類のペプチド結晶でイオン導入に成功した。(2)では、特に光学特性の理解が進んだ。ラマン分光法および蛍光測定をおこなった。偏光依存ラマン分光では、ペプチド結晶から励起光の偏光に対して異方性の高いラマン信号が得られた。XRDと合わせて分析することにより、ペプチド結晶内にペプチド間の水素結合ネットワークが形成されていることが明らかになった。(3)ではペプチド結晶の電気伝導特性をイオンガス雰囲気中でおこなった。電気伝導の掲示変化を測定することに成功した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)
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