従来、非対称型GNRを有機合成するために設計した炭化水素型の前駆体では、高分子化は成功するものの、脱水素縮環時に、転位反応が起こるため、望む構造のGNRが生成できなかった。この問題を解決するために、新しい非対称Z型前駆体を設計し、非対称型GNRの新規有機合成法を開発した。前駆体に臭素とホウ素を末端に有し、中心部に塩素を持つ分子設計を行った。この前駆体を用いて、非対称型の前駆体高分子を合成した。次に、脱塩化水素反応を行うことにより、部分縮環した高分子を得た。更に残りの炭化水素部分の脱水素縮環反応を行うことにより、非対称型のGNRを得た。以上から目的とした、非対称型GNRの合成に成功した。
|