電子励起による原子移動を利用することにより、熱処理では進行し得ない固相反応が常温で進行する場合がある。本研究では、電子励起とともに局在表面プラズモン共鳴(LSPR)による格子変調を協奏的に組み合わせて原子移動を活性化し、常温で化合物を自在に形成する新規固相反応プロセスの創出を試みた。電子励起とLSPRとの協奏効果を直接検証するには至っていないが、電子励起による酸化物の解離が固相反応の起点と考えられることなど、反応プロセス確立に必要な要件等が明らかになりつつある。反応領域をナノからサブミリメートルまでマルチスケールに選択できる点が本提案手法のユニークな特徴であり、広範な分野への応用が期待される。
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