振動子センサーは代表的な無標識バイオセンサーであり、計測時間が短く、創薬プロセスに必要とされる生体分子間の親和性評価を可能とする。振動子センサーの感度は、振動子材料の密度が小さく、かつ、振動子が薄いほど飛躍的に向上することから、多層グラフェンナノ薄膜は、想定し得る材料中でもっとも有望なセンサー材料である。本研究では、極めて品質の高い多層グラフェンナノ薄膜を用いた多チャンネル自立膜振動子の開発に成功し、共鳴周波数が40GHzを超える超高周波領域でのバイオアッセイに成功した。その結果、検出感度が従来のバイオセンサーのそれを大きく上回るセンサーを完成させることに成功した。
|