光は、ハイゼンベルグの不確定性原理に由来する量子力学的な揺らぎを持つ。コヒーレント状態のレーザー光は、その揺らぎがポアソン分布に従い、光計測ではショット雑音の起源となる。一方で、この光の持つ量子揺らぎも有用な使い方ができる可能性がある。本研究の目的は、量子光学の分野で発展してきた量子揺らぎの検出技術や制御技術を利用して、量子揺らぎの自由度を活かした新しい光計測を開発することである。本研究では、光強度揺らぎの計測への応用として、バンチングによる2光子励起蛍光の増強を実証した。また、強度揺らぎの新しい制御法として、相関のある強度揺らぎを異なる周波数モードへと転写する実験にも成功した。
|