研究実績の概要 |
100 fs, 10 meVの時間・エネルギー分解能を有する超高速仕事関数測定システムを構築した。 Graphene/Ir(111)を試料とした二光子光電子分光実験を通して、高い時間分解能を有することを実証した。その後Xe/Au(111)をモデル試料として実験システムの検証を行った。時間分解能は(少なく見積もっても)サブピコ秒のオーダであることは間違い無いので、これで仕事関数測定を光エネルギー分解能で行えば、自動的に高い・時間エネルギー分解能の両者を達成出来るともくろんだ。しかしながら、Xe吸着によって仕事関数が変化していることは観測できたものの、レーザー照射によって、仕事関数変化を引き起こすことができなかった。レーザー強度を高めると、仕事関数が変化したものの、この仕事関数変化を時間分解追跡することができなかった。 残念ながら現行のシステムに対して適当な時間スケールを持つ仕事関数変化として振る舞う系ではなかった。分子吸着系等より広範な試料系を探索する必要があると共に、より短時間分解能を持つ測定システムの構築が必要である。そのため、10fsの時間幅を持つレーザーシステムの構築に着手した。
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