研究実績の概要 |
「電位入力型ON/OFF機能の付与された双安定性分子ジャンクションの創成」に関する本研究課題では、分子薄膜の両面に電極が接合された分子ジャンクションについて、エレクトロニクスの高速化とダウンサイジングに不可欠な将来的技術であることを鑑み、薄膜を構成する分子の導電性が外部刺激によって変化する設計のもとで、分子ジャンクションにON/OFF機能を付与する挑戦的内容である。国立シンガポール大学C.A.Nijhuis教授との国際共同研究として実施する。電極接合については、Nijhuis教授らが持つ共融ガリウム-インジウム電極の蒸着技術を用い、Au/分子薄膜//GaOx/EGaIn型のデバイスを構築する。 研究計画に沿った研究実験を実施し、機能発現の鍵となる動的酸化還元物質の開発については、a) "Anthraquinodimethane Ring-flip in Sterically Congested Alkenes: Isolation of Isomer and Elucidation of Intermediate through Experimental and Theoretical Approach," Bull. Chem. Soc. Jpn. 2022, 95, 38-46.; b) "Solid-State Assembly by Chelating Chalcogen Bonding in Quinodimethane Tetraesters Fused with a Chalcogenadiazole." ChemPlusChem 2022, 87, e202200075; c) "Geometrical and Electronic Structure of Cation Radical Species of Tetraarylanthraquinodimethane: An Intermediate for Unique Electrochromic Behavior."Chem. Asian J. 2022, 17, e202200914; d) "Near-Infrared Electrochromic Behavior of Dibenzothiepin Derivatives Attached by Two Michler's Hydrol Blue Units." Chem. Eur. J. 2022, 28, e202202457.に発表するなど十分な成果が得られた。一方、国際共同研究で実施する計画の部分は、国際交流がCOVIDにより大きく制限された影響を受け、実績の成果発表には至らなかった。
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