環状ペプチドは医薬品としてますます重要性を増しているが、その一般的な合成法は、1)高価な縮合剤を多量に要する、2)反応完結に長時間を要する、3)煩雑な精製操作を必要とするといった問題点をもつ。これらの問題点は副反応を回避するために温和な反応性をもつ縮合剤を利用している点に起因する。本研究では、従来法とは異なり、高い反応性をもつトリホスゲンを用い、反応温度と反応時間を厳密に制御可能なマイクロフロー合成法を駆使することで、競合する副反応を抑止しつつ、廃棄物の排出を抑え、短時間でラクタムおよび環状ペプチドを合成できる手法の開発に成功した。
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