反芳香族ポルフィリンであるノルコロールの側鎖に水素結合部位を導入し、超分子重合させることによって高分子を構築することに取り組んだ。水素結合部位としてアミド基を有するノルコロールを設計・合成した。検討の結果、このノルコロール溶液を冷却することにより、超分子重合が進行することを見いだした。得られた重合体の電荷輸送特性を芳香族性のポルフィリンからなる類似の超分子重合体と比較したところ、ルコロールからなる超分子ポリマーがポルフィリンからなる超分子ポリマーに比べ4倍程度高い電荷輸送特性を示すことが明らかになった。反芳香族分子の近接積層が優れた電子物性につながる可能性を示唆するものである。
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